21世紀COEプログラム 研究拠点形成


写真は平成15年1月に東京サテライト・オフィスで実施されたフォーラムの様子

プログラムの概要
 防災研究における世界のCOE を目指して、社会の防災ニーズを的確に反映した学際融合的防災研究を推進する。若手研究員との共同研究を通した人材育成を実施して、研究成果の共有と情報発信のための国際シンポジウムを開催する。さらに、サテライト・オフィスでの公開講座などを通して研究成果を発信する。

拠点形成の目的・必要性
 近年、地球温暖化による気象・水象災害の激化・頻発化が懸念される.また21 世紀前半は地震活動期にあたり南海トラフ沿いに海溝型の巨大地震災害の発生や大都市直下地震の発生が高い確度で予想されている.わが国の安全/安心を脅かす自然災害発生の危険性が高まっており,早急の対応が必要となっている.
 一 方、社会の高度化・複雑化を反映して、自然災害の様態が極めて複雑化し、複合災害の様相を示すようになってきており、社会的インパクトが極めて大きくなってきている。そこで、日本のCOE から世界のCOE となるべく、巨大災害による複合災害の「持続的成長」の脅威を軽減し、災害研究の成果による各種防災技術の洗練、安全/安心社会の実現のための基礎条件の明示および災害に粘り強い地域コミュニティの形成に貢献する。

研究拠点形成実施計画
 つぎのような3種の事業を実施する。
社会の防災ニーズを的確に反映した学際融合的防災研究の推進
防災ニーズが高く学際融合的な研究課題である、(1)「都市の災害脆弱性診断と生活空間の再生技術・戦略に関する研究」、(2)「防災情報の作成・伝達と災害リスクマネジメントに関する新技術の研究」を推進する。
若手研究員との共同研究を通した人材育成,
人文、社会、情報科学などの分野の国内外の若手研究者との先導的な共同研究を行なう。具体的には、 (1)国内外のポスドクレベルの期限付き研究員の受け入れ、(2)海外からの短期研究員との共同研究の推進、(3)アジアを中心にした長期研究員との国際共同研究体制の確立。
研究成果の共有と情報発信のための国際シンポジウムの開催
各種共同研究の成果を広く発信することも研究拠点の重要な使命である。そこで学術・応用上の価値の高き共同研究の成果について、年2 件を目標として、国内で開催される国際シンポジウムを支援する。

教育実施計画
 今後とも、京都大学の教育の一翼を担い、教育プログラムと教育制度の整備を行う。大学院教育においては、災害調査、フィールドワーク、大型研究施設・観測所における実験・観測などを奨励し、実学としての防災研究のOJT(On the Job Training: 職場内教育)を行う。さらに、防災分野のCOE として行ってきた、米国・カリフォルニア大学バークレー校、米国・カリフォルニア工科大学、カナダ・ウォータルー大学などとの交流協定に基づく交換留学と、単位取得のための修士課程学生の派遣を一層推進するとともに、世界トップレベルの災害・防災関係研究教育機関との交流協定を積極的に拡充し、例えば、Special Program on Disaster Prevention/Mitigation Studies といったサマースクールを開講し、国際的災害・防災教育の質的・量的向上を促進する。そのためにも広報・教育活動推進のための適切な人材を広報・教育担当者として新たに雇用するとともに、教育機会の増大と効率化、研究のアカウンタビリティの向上のためのスペースをレンタルして、京都と東京にサテライト・オフィスを開設する。

詳細はウェブサイトをご覧下さい.http://www.21coe.dpri.kyoto-u.ac.jp/

拠点リーダー 河田恵昭