研究項目課題 | (1)自然地震・制御震源を用いた内陸活断層の深部モデルと地殻内三次元構造モデルの構築に関する研究 | 研究代表者 | 西上欽也 nishigam@rcep.dpri.kyoto-u.ac.jp | 研究概要 | 活断層の深部構造とその不均質性を詳細に知ることは、内陸地震の発生メカニズムの解明およびその活断層において将来発生する大地震の特性を予測する上で基本的に重要である。本研究課題では15、16年度において、地震観測網により蓄積された自然地震データ(震源、波形)、既存の人工地震、および重力等のデータを活用し、また活断層における新たな地震観測データを取得し、活断層深部構造および地殻三次元構造の研究を進めてきた。17、18年度においては、これらをさらに発展させながら、近畿圏における強震動予測の精度向上に資する活断層深部構造モデルの作成および地殻三次元構造モデルの構築を目指す。具体的な研究項目としては以下の3研究を設定している。 ・活断層の深部形状モデルに関する研究 ・活断層における地震活動特性・発震機構等の不均質性に関する研究 ・活断層および周辺地殻の三次元速度・減衰・密度構造モデルに関する研究 |
研究項目課題 | (2)断層の準静的モデルの構築と歪蓄積過程に関する研究 | 研究代表者 | 橋本 学 hasimoto@rcep.dpri.kyoto-u.ac.jp | 研究概要 | 近畿地方における強震動予測に必要な断層モデル・パラメターのうち、プレート境界および内陸活断層の静的〜準静的パラメターを主として測地学的手法によって推定することを目的とする。さらに、平成16年度より近畿地方で実施される大都市圏地殻構造調査で得られる深部断層構造やその他の広範な地殻構造研究成果を参照し、活断層などへの歪蓄積過程についてのモデル研究を行う。 具体的には、地殻構造やテクトニクスに基づくモデルにより、明治以降の測地測量データや最近のGPS観測データ等の測地学的データを解析することにより、プレート境界や内陸活断層の固着領域や深部形状、さらには非地震性すべりやすべり欠損(速度)等、動的断層パラメター推定のもととなる静的〜準静的断層パラメターの推定を行う。さらに、推定された静的な断層モデルを利用して、活断層への歪蓄積過程のシミュレーション研究を行う。 平成16年度までの研究成果を踏まえ、以下の2項目の研究を実施する。 ・プレート境界および内陸活断層の準静的パラメターの推定 ・歪蓄積過程のモデル化 |
研究項目課題 | (3)強震動予測高精度化のための震源モデル、堆積盆地構造モデルの構築に関する研究 | 研究代表者 | 岩田知孝 iwata@egmdpri01.dpri.kyoto-u.ac.jp | 研究概要 | 本研究はこれまでの蓄積された情報に加え、「大都市圏地殻構造調査研究」によって遂行される、地殻構造、活断層の深部構造、堆積盆地構造情報など新たな知見に基づいて、震源モデル及び地下構造モデルの高精度化をすすめ、都市域における強振動予測の精度向上に資することを目的とする。 強振動予測方法の現状を踏まえ、上記の各種情報及び既存強震データなどを活用したモデル検証と高精度化を目的とし、近畿大都市圏に被害を及ぼす可能性のある震源について、高度化した震源・地下構造のモデル化を行うこと、また、具体的にプレート境界巨大地震・内陸地殻内地震・スラブ内地震等に対する想定地震設定、及び強震動シミュレーションを行う。具体的には以下の3項目に関する研究を行う。 ・震源のモデル化に関する研究 ・堆積盆地構造のモデル化に関する研究 ・強震動シミュレーションの高度化に関する研究 |