拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて、当研究所は、平成8年度に「災害に関する学理の研究及び防災に関する総合研究」を目的とする全国共同利用の研究所として改組され、現在に至っております。
このたび、下記のとおり教官を公募することとなりました。つきましては、ご多忙中のところ、まことに恐縮でございますが、関係各位の皆様方に適任者の応募についてよろしくお取り計らい下さいますようお願い申し上げます。
当センターは平成2年6月に,地震予知に関する基礎研究を行うとともに,学内外の研究者との共同研究を推進し,地震発生の原因と機構を解明し,最終的に地震予知手法を確立し,地震災害の軽減のための基礎的な方法の確立を目的として設立された.その後,平成8年,防災研究所が全国共同利用研究所に改組されたことに伴い,9研究領域(内客員1)と8観測所により構成され,これらは大部門的に運営され,有機的連携を保って研究が行われている.
今世紀半ばには,南海トラフ沿いのプレート間巨大地震の発生確率がピークに達するとされている.それに向けて,内陸被害地震も増えると予想される.このような地震による被害の軽減を目指して,南海トラフ沿いの巨大地震の予知研究,内陸の被害地震の予知研究,および研究成果の社会への効果的な普及・教育を当センターの3本柱として強力に進めている.
これを推進するための比較的基礎研究領域として,「地球内部(客員)」と「地震テクトニクス」が挙げられる.これらの研究領域では,地震発生に関して最も基礎的な地球内部の構造や物性,及び地震発生に関するテクトニクス等を取り上げている.これらの基礎に立って,「地震発生機構」研究領域では,地震発生に関する研究を観測・理論・実験の各方面から進めている.
地震予知研究への直接的なアプローチを行う研究領域には,「地殻変動」,「地震活動」及び「地震予知計測」の3研究領域がある.ここでは,上述の基礎的3研究領域と連携しつつ,広域かつ多種目の観測・測量に基づき,地震予知に密着した研究を進めている.さらに,「地震予知情報」研究領域では,地球科学的観測データを収集し,データベースを構築すると共に,それに基づいた地震予知研究を,他の研究領域と連携して総合的に進めている.このほか,地震予知へのより実践的な研究領域として,「総合処理解析」と「リアルタイム地殻活動解析」研究領域がある.前者は,各観測所等から送られてくる多種目の観測データを,各研究領域との密接な協力のもとに総合的に処理・解析している.後者は,定常観測網で必要と認められた地域や,大地震発生地などへ機動的に出動し,効率的かつ多種目の臨時観測を行っている.
また,センターには8観測所が配置されているが,このうち上宝,北陸,阿武山,鳥取の4観測所は,主として内陸地震を対象として内帯総合観測網を形成している.屯鶴峰,逢坂山の2観測所では主として近畿中南部の地殻変動を観測し,内陸地震とフィリピン海プレートの沈み込みによる最上部マントルの地震を研究対象としている.また,徳島観測所では主として四国沖の巨大地震を対象とし,他大学の観測所と共に南海観測網の一環をなしている.さらに,宮崎観測所は主として日向灘及び南九州の地震を対象とし,地殻変動や地震の観測網を形成している.
当センターでは,これまでに内陸地震の研究のための高感度地震合同観測,電磁気共同観測,GPS大学連合合同観測や,断層の解剖計画等において,多くの大学等との共同研究を行ってきたが,平成11年度から始まった「地震予知のための新たな観測研究計画」では,なお一層他大学や他機関などと協力して地殻活動予測システムの構築を目指した共同研究を推進している.
地震テクトニクス研究領域、地震発生機構研究領域、地殻変動研究領域、
地震活動研究領域、地震予知計測研究領域、地震予知情報研究領域、
地球内部研究領域(客員)、総合処理解析研究領域、リアルタイム地殻活動解析研究領域
上宝観測所、北陸観測所、鳥取観測所、阿武山観測所、逢坂山観測所、徳島観測所、
屯鶴峯観測所、宮崎観測所
教 授: 梅田康弘, 大志万直人, 川崎一朗, 橋本 学, 古澤 保*), Mori,James,J.,
西田良平(客員教授)
助教授: 飯尾能久,伊藤 潔,片尾 浩,竹内文朗,西上欽也,松村一男,柳谷 俊,渡辺邦彦
助 手: 大見士朗,大谷文夫,尾上謙介,許斐 直, 重富國宏,渋谷拓郎,
徐 培亮,寺石眞弘,土居 光,中村佳重郎,森井 亙,吉村令慧
*)平成15年3月末定年退官予定
なお、京都大学防災研究所の詳細は下記のホームページをご参照下さい。
http://www.dpri.kyoto-u.ac.jp/default.j.html